
再生材コンパウンド:PIR・PCR
仕様に合わせて設計する再生プラスチック コンパウンド
インドの2工場で、ポストインダストリアル再生材(PIR)とポストコンシューマー再生材(PCR)を、PP、TPO、ナイロン、ABS、PCアロイのグレードにコンパウンドしています。各グレードは目標特性に合わせて設計し、バージン材のグレードと同じくバッチごとに試験します。
再生材は配合の一要素であり、製品そのものではありません
再生材コンパウンドも、あくまで配合設計です。ベース樹脂(バージン材、PIR、PCRのいずれか)を起点に、部品に必要な添加剤を組み合わせます。剛性を高めるタルク、マイカ、ガラス繊維のほか、耐衝撃改質剤、UV安定剤、難燃剤、消臭剤、帯電防止剤、着色剤などです。
目標とするのは原料ではなく部品です。まず特性範囲(剛性、耐衝撃性、低収縮、塗装性、耐傷付き性、光沢、耐熱性、VDA 270臭気、VDA 278放散)を決め、それを満たすように再生材グレードを設計します。再生材をそのまま販売することはありません。
再生材グレードとバージン材グレードは、同じラボ、同じERPによる配合管理、同じバッチ品質管理のもとで生産しています。そのため再生材グレードにも、バージン材と同じ試験データと書類が付きます。
- ベース樹脂:PPホモポリマー・コポリマー、TPO、PA6、PA66、ABS、PCアロイ、POM
- 原料:バージン材、PIR、PCRから、部品と規制要件に合わせて選定
- 配合はERPで固定管理し、原料から出荷までバッチ履歴を追跡
- 全ロットに分析証明書(CoA)を添付
PIRかPCRか:用途に合う再生材
どちらの用語もISO 14021の定義に従います。違いは材料がどこで回収されたかであり、それによって必要な管理のレベルが決まります。
PIR:ポストインダストリアル再生材
- 消費者に届く前に、製造工程の廃棄物から分別された材料
- クリーンで品質が安定し、単一ソース
- 自動車部品にとって自然な第一歩
- 再生PP、TPO、PA6、PA66、ABS、PC-ABSグレードに使用
PCR:ポストコンシューマー再生材
- 使用済み製品から回収された材料
- より高い環境価値
- より厳しい異物・臭気管理が必要
- EUのクローズドループ目標で重視される
いま再生材がRFQの条件になる理由
規制によって、持続可能な自動車用プラスチックは「望ましいもの」から「必須要件」へと変わりつつあります。お客様からよく挙がる公的な規制は次のとおりです。
| 市場 | 規制 | プラスチック部品への影響 |
|---|---|---|
| インド | 使用済み自動車規則 2025(End-of-Life Vehicle Rules 2025) | 2025年4月1日から、自動車メーカーに拡大生産者責任を課す |
| インド | プラスチック廃棄物管理(改正)規則 | 硬質プラスチック包装の再生材使用比率を段階的に引き上げ |
| EU | EU 使用済み自動車規則(EU)2026/1738 | 2026年8月13日施行。新たに型式認証を受ける車両に、2032年から15%、2036年から25%の再生プラスチックを義務付け、その5分の1以上を使用済み自動車由来とする |
| 日本 | プラスチック資源循環促進法(2022年施行) | リサイクルしやすい設計と再生材の利用を促進 |
参考情報としての要約であり、法的助言ではありません。お客様のプログラムに適用される規制の最新の条文をご確認ください。
再生材グレードの品質管理
再生原料はバージン樹脂よりもばらつきが大きくなります。4つの管理ポイントで、ペレットがお客様の成形工場に届く前にそのばらつきを吸収します。
- 01
受入原料
ソースごとに分別保管し、異物スクリーニングとFT-IRによるポリマー同定を行ってから投入します。
- 02
押出
脱揮を伴う二軸押出コンパウンディングと、配合を固定した計量。臭気は工程内で管理します。
- 03
品質管理と色
全バッチでMFI、密度、灰分、引張、曲げ、アイゾット、HDT、色差(delta E)を測定し、グレードの特性範囲と照合します。
- 04
承認プロセス
量産供給の前に、PPAP、材料規格への適合確認、実車試験をお客様の技術チームと進めます。
再生材グレードを最初に使う部品
非意匠部品から始め、データの蓄積に合わせて範囲を広げます。代表的な展開ルートは次のとおりです。
-
アンダーボディ・外装
タルクまたはガラス強化のrPP(再生PP)を、ホイールハウスライナー、マッドガード、アンダーカバー、バンパーブラケットに。まずPIR、次にPCRへ。
-
エンジンルーム
エアダクトとエンジンカバーにはrPP。ブラケット、構造クリップ、ファン・シュラウド部品には、OSAMIDEをベースとするPIR由来のrPA6・rPA66。
-
バンパー・クラッディング
バンパー基材と外装クラッディングに、PIRまたはPCRのTPOブレンド。
-
内装の骨格部品
内装トリム基材、非意匠ブラケット、コンソール骨格に、PIR由来のrABSとrPC-ABS。
-
通い箱・ダンネージ
再生材の環境価値が最も評価される通い箱とダンネージに、PCRグレード。
-
次の段階
重要度の低いリザーバーやトリム部品向けに、PCR由来のrHDPE。プログラムのご要望に応じて展開します。
- 1,975 kg/hr公称コンパウンド生産能力
- 4本二軸押出ライン。75 kg/hrの試作から1,250 kg/hrの量産まで
- 48-72時間試作配合のご提案まで
- 150+4年間で開発したグレード数
再生材コンパウンド:よくあるご質問
再生材コンパウンドの性能はバージン材グレードと同等ですか?
再生材グレードは部品に必要な特性に合わせて設計し、全バッチで試験します。再生材の影響で特性が変わる場合は、添加剤の配合で補うか、再生材比率を調整します。
PIRとPCRの違いは何ですか?
PIRは消費者に届く前に製造工程の廃棄物から分別された材料、PCRは使用済み製品から回収された材料です。どちらもISO 14021の定義に従います。
再生材はどこまで配合できますか?
部品、特性範囲、原料によって異なります。目標とする再生材比率と必要な特性をお知らせいただければ、48-72時間で試作配合をご提案します。
臭気はどのように管理していますか?
発生源で管理します。原料の選定、二軸押出時の脱揮、そして部品に必要な場合の消臭剤の添加です。VDA 270の基準値は部品ごとに取り決めます。
再生PPでCO2eはどれだけ削減できますか?
公表されているライフサイクル評価のレビューでは、再生PPのクレードル・トゥ・ゲートのCO2eはバージンPPより約55-70%低いとされています。これは業界の推定値であり、当社の保証値ではありません。お客様の部品の数値は、部品データをもとにISO 14067に従って再計算する必要があります。
再生材含有の認証に対応できますか?
お客様の再生材含有に関する書類作成を支援し、プログラムが求める認証スキームに合わせて対応できます。RFQの段階で該当するスキームをお知らせください。
再生材グレードはどこで製造していますか?
デリー首都圏、ハリヤーナー州Jhajjar・MET Cityの当社2工場で、バージン材グレードと同じラボ、ERP管理、バッチ品質管理のもとで製造しています。